キーワードは「土台」と「すり合わせ」

こんにちは、トーマです。 今回は、以下の記事でも少し触れた「100%を目指さない」という考えについてです。

toma1621.hatenablog.com

以下の仕事については「最初から100%を目指すべきではない」とお伝えしました。

  • プレゼン資料など、同僚や上司にチェックしてもらう必要がある仕事
  • 最終的な成果物を、依頼主のイメージに近づける必要がある仕事
  • トライアル的に始めた作業であり、最終的な落としどころを決めていない仕事

これらに共通するのは「最終的なゴールが明確ではない」という点です。

よほど手慣れた仕事でない限り、仕事の終着点は見えていないことが多いです。 当然、成果物はどこかで確認を挟むことになりますが、ほぼ間違いなく何かしらの指摘はあるでしょう。

ここでもし、100%に近い状態まで仕上げたものに対して指摘を受けてしまった場合を考えてください。

指摘の種類にもよりますが、場合によっては1日単位での後戻りが発生します。
また、自身の成果物が受け入れられなかったという精神的ダメージも軽視できません。
結果的に、心身共に疲弊し、大した価値も生み出せない…という最悪のパターンに陥ります。

では、こういった後戻りを防ぐにはどうすればいいのか?

それは早い段階で適宜すり合わせることです。

例えばプレゼン資料であれば、資料全体の目次と、スライド毎のざっくりした記載方針だけをまとめて初回確認の場を設けます。
こうすることで、資料の方向性が正しいかを早期に確認でき、軌道修正も容易です。
※『プレゼン資料 スケルトン』などで検索すると、この考えは沢山出てきます。

資料に限らず、初めての仕事の場合は依頼主と適宜すり合わせを行うことで仕事の後戻りは格段に減ります。

確認者の負担が増えるのでは…?と思われがちですが、多くの場合は最終的にひっくり返るよりも時間の削減に繋がります。
依頼側としても、進捗状況を随時確認できるというメリットも存在します。

「適宜確認する」というのは後戻りの防止、ひいては信頼獲得のためにも重要なプロセスです。 一人で考え込んで進めるのではなく、適宜周囲の力を借りて最短距離でゴールを目指すことが重要だと考えます。

是非、明日から実践してみてください。

おまけ

ここまで理想論を書きましたが、アンチパターンについても触れておきたいと思います。

私自身も遭遇した最悪なパターンは「依頼側が対話を求めていない」ケースです。 依頼側としては『課題はあるが自分では解決できないので他者に依頼したい。ただ自分も忙しいので課題だけ最初に伝えて、あとはいい感じに仕上げてほしい』といった考えでしょうか。

ただ、こうした状況下で結果を出せるのは一握りの天才だけです。

このパターンの依頼者に当たると「仕上げる⇒指摘を受ける⇒仕上げる⇒指摘を受ける…」という悪夢の無限ループに陥りがちです。
また、こうした考えは立場が上の人や組織(SES*1の発注元など)にありがちです。 そのためすり合わせを行う重要性を説けない・説いても響かない場合が多いです。

このパターンに対して、私は「逃げる」ことをお勧めします。
一握りの天才の方であれば上手くいくかもしれませんが、多くの方は十分な結果を出せないでしょう。 それによって自尊心も傷つきます。

以下の順に状況改善を図ることをお勧めします。

  • ①まずは、適宜すり合わせができないか依頼主に相談する
  • ②上司やさらに上の上司(SESなら自社)に相談して、対話する場を設けてもらう
  • ③仕事自体を変えてもらう(SESならメンバー交代を打診)
  • ④所属組織自体に見切りをつける

これくらい割り切って動かないと、状況は改善しません。そのうち自分自身が潰れてしまいます。

極端な話、自身が夜逃げしても数週間後には仕事は問題なく回っています。 自身が苦しみながら頑張る必要は、全く無いんです。

もちろん、壁を越えられれば大きな自信になります。
ただ、その代償も安くはないので、しっかり自分自身と向き合って選択することが大事です。

*1:System Engineering Service